ケロイド
どんな病気?
通常お傷は一時的に赤くなり、徐々に赤みがひき、その後に色素沈着が一時的に起き、徐々に薄くなり目立たない傷になります。
通常3〜6ヶ月の経過で炎症が消退し白色で柔らかい成熟瘢痕になります。
しかし、このような経過をとらず1〜2ヶ月後より赤く盛り上がり、ミミズ脹れのようになることがあります。
そのような場合は肥厚性瘢痕やケロイドの可能性があります。
ケロイドは肥厚性瘢痕と見た目似ていますが、通常傷あとにならない程度の損傷が原因でいつまでも腫瘍状に増殖して消退傾向を示さない線維性皮膚腫瘤で、傷を超えて正常な皮膚まで病変が広がります。
また痛みや痒みを伴うことが多いです。治療しても再発や増悪することもあります。
原因
BCG注射や虫刺され、毛嚢炎やニキビなどの皮膚疾患、ピアス、軽微な外傷や手術創から発症します。
家族発生、アレルギー疾患との関連、思春期や妊娠前後に多いため性ホルモンの関連が指摘されています。
その他に創部の状態、化学的刺激、長期的な傷への緊張などによります。
治療
- 圧迫療法:ケロイドの血流を低下させ、皮膚線維細胞の増殖を抑えます、また外部からの刺激を減らします
- ステロイド(注射、テープ、軟膏):抗炎症効果により皮膚線維細胞の増殖を抑えて赤みやかゆみに効果がみられます
- トラニラストの内服:抗アレルギー薬で班の旺盛に増える皮膚線維細胞の増殖を抑える効果があります・赤みや痒みも軽減します。
- 手術:ケロイドを切除します。手術によりケロイドが再発や増悪する場合がありますので、十分な検討が必要です。